CIMC:インテリジェントなコンテナ輸送を実現

CIMC社は自社製の輸送用コンテナにIoTを導入し、追跡・状態監視などの機能を追加したことにより、他社との差別化に成功しました。

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ポイント

背景

中国国際海運集装箱グループ(China International Marine Containers: CIMC)は、シェア48%(同社発表)を誇る世界最大手の輸送用コンテナメーカーです。同社では、輸送・ロジスティックス分野におけるインダストリー4.0の進展に伴い、デジタル化とコネクティビティ、IoTへのニーズが高まっていると判断しました。

挑戦

世界では現在、およそ2,800万から3,100万個の輸送用コンテナが使用されています。そこに毎年、数百万個ものコンテナが加わっているため、コールドチェーン(低温物流体系)などにおける個々のコンテナの位置と状態を把握する作業は、ますます複雑になっています。その他にも紛失や盗難、税関や港湾局での手続きなど、輸送コストの上昇や配送の遅れをもたらす数々のリスク要因が存在しています。

これらの長年にわたる問題点について、新たなソリューションを見出すべく、CIMC社ではインテリジェントな技術を製品に組み込むことを目的とした子会社、CIMC HiTech社を設立しました。同社は複数のセンサーと追跡装置をコンテナに組み込み、グローバルな追跡を可能にしました。

コンテナがリアルタイムに近い条件でデータを送信するためには、海上と陸上のどちらでもコネクティビティを確保する必要があります。つまり、選択肢はモバイルネットワークしかありません。コンテナは複数の国と大陸をまたいで移動するため、CIMC HiTech社では、グローバルなローミングサービスをまとめて1社で提供できる接続プロバイダを必要としていました。

輸送用コンテナのライフサイクルは10年以上に及びます。その点を考慮すると、CIMC社 が必要としていたのは、将来も継続的に利用可能なSIMカードと、費用のかかる野外での交換作業の必要がなく、双方向通信によるアップデートが可能な通信モジュールでした。つまり、CIMC HiTech社が必要としていたのは、長寿命に加えて安定性・信頼性の高いIoTコネクティビティであり、そのような技術を提供してくれるパートナーだったのです。

「CIMCはグローバル市場のリーダーとして、業務効率の改善や自動化など、国際貿易の需要に応じた顧客支援に力を注いできました。そしてTelenor Connexionによる柔軟でグローバルなIoTソリューションにより、インテリジェントな輸送用コンテナの開発に成功しました。これもまた、お客様の要望に応え、一帯一路を推進し、インダストリー4.0への移行を支援するための重要な取り組みです」

CIMC High Technology社 CEO  Dr. ShouQin Zhou氏

ソリューション

複数のサプライヤーを比較検討した結果、CIMC HiTech社はTelenor Connexionを選びました。パートナーとしての信頼性の高さに加え、そのGlobal Connectivityソリューションによって1枚のSIMカードで各国でのコネクティビティを確保できることが決め手になりました。そのほか、安全性の高い接続システムや、データ使用量をリアルタイムに近い形で視覚的に確認できること、資産管理に必要な情報を包括的に確認できることなども導入の理由に挙げられています。

Telenor Connexionは中国において、パートナー企業、AuEase社と提携関係を結んでいます。この両社の協力により、CIMC HiTech社では、エンド・ツー・エンドでワンストップサービスを提供できることを強みとした、スマート・ロジスティクス・ソリューションをエンドユーザー向けに提供しています。このCIMC HiTech社のソリューションは販売前の技術サポートとライフサイクルマネジメントを導入するなど、ビジネス面でのイノベーションも盛り込んだものです。CIMC HiTech社は現在、Telenor ConnexionのIoT専門スタッフによる年中無休のカスタマーサポートを利用しています。そこには安全運用センターも含まれており、同センターは中国国内でのローカルサポートを担うAuEase社の専門スタッフによって運営されています。